京都シルバーバーチ読書会

自己紹介


 霊的真理に出会うまでは、何故人間はこの苦しい人生を生きていかねばならないのだろうか、何のために生まれてきて何のために生きるのだろうかといつも考えていました。常に孤独感に苛まれ、自分の価値を見いだせずに、自分を愛してくれる人はこの世にはいないと感じて生きていました。


 自分で自分の存在価値を否定し、孤独の恐怖の中で生きるのは大変苦しいものです。そうした自分の弱さや人生の苦しさを何とか克服しようと、心理学・自己啓発・哲学・宗教などに答えを求めました。しかし、一時は何となく気持ちは楽になっても、少し経つと「自分が求めている答えはここにはない」と悟り、次を探すということのくり返しでした。求めても求めても、単なる精神論や、煙に巻かれたような、わかったようなわからないような曖昧な内容、矛盾に対して理性が納得しうる程のものが無いことなどの理由から、次から次へと本を読み漁り、真実を求めて様々な修行体験にも参加するといった日々が丸10年続きました。今にして思えば、その真理を求める10年の日々は私にとって霊的真理へ至る必要不可欠な過程でした。苦しくて辛かった日々でしたが、それが私の魂を霊的真理を受け入れられる状態まで高めてくれたのだと思います。


 今にして思えば、幼いころから親族にエホバの証人の熱心な信者家族がおり、一家崩壊の様子を目の当たりにしたり、天理教、実践倫理宏正会、創価学会など、新興宗教が常に身近にある環境で育ち、新興宗教の神は嘘だと確信していましたので、真理を求めていても、それだけは避けることが出来たことは、本当に幸いでした。


 霊的真理に出会った時、「これこそ私がずっと求めてきたものだ!」と歓喜に満たされました。そして、読み進めれば進めるほど、疑問は解消されていき、理性で納得できることばかりであるということが、更に私に霊的真理の真実性を確信させることになっていきました。というのも、真理に出会うまではどんなに素晴らしいことが書いてあっても必ず物足りなさがあり、肝心な所がはぐらかされているように感じて矛盾や疑問は増すばかりで、真実を知りたいという欲求に応えてくれる内容に出会ったことがなかったからです。


 読めば読むほどに新しい気付きがあり、知的欲求が満たされたことも大きな喜びではありますが、それだけではなく何よりも、「自分は孤独ではなかったのだ!」「今までもこれからも自分は決して一人ぼっちではないのだ!」という、目には見えず耳にも声は聞こえずとも、「神と守護霊という常に愛してくれる存在がいる」という事実を感動をともなって実感できるようになったことが最大の慰めとなりました。


 強烈な孤独感の中で真実を求めて歩むことが、私にとっては霊的真理を理解するために必要なことだったと思いますが、霊的真理に導かれたお陰で孤独とは無縁の生き方に180度変化しました。常に神と霊界の方々とともにあることを感じながら、本当に安心して生きられるようになりました。それは苦しみが無くなったということではありません。霊的真理を知ったから苦しみがなくなるのではなく、苦しみに対処する心構えが変わったということです。何故苦しみがあるのか、何故生きるのか、という長年の疑問に対して、理性で納得できる回答を得ることができたからです。


 霊的真理は地上の多くの宗教のように無理に押し付けたり、宗教団体を作って入信させる必要はありません。教祖も救世主も、教義も儀式も、神殿や宗教建造物も一切不必要です。スピリチュアリズムとは一人ひとりが変化し、少しずつその数が増えていくことで地上世界が変化していくという気の長いプロセスです。


 霊的真理を知ることによって、「生きることが辛く苦しい」と思いながら生きている人が、生きる希望を見出し、苦しみを乗り越えていく力を得られますよう祈っています。また、属している宗教に疑問を抱いている方が、真の信仰を見出してくださいますよう祈っています。そのために、真理に導かれた方が、霊的真理を正しく理解し、正しく実践することで、まず自ら霊的成長の歩みをし、そして、自分が救われたように、一人でも多くの人が救われてほしいと願い、私たちとともに霊界の道具として歩んでくださることを心から願っています。

2015年2月記 森浦 芳枝